年老いた夫が亡き妻の夢を叶えようと挑む大冒険を描いた2009年12月に日本公開されたピクサー映画が、『カールおじさんの空飛ぶ家』です。3D版も公開されました。この作品は、第82回アカデミー賞長編アニメ映画賞・作曲賞を受賞しています。

最愛の妻との約束、78歳のカールおじさんは今冒険に出発した

最愛の妻エリーを亡くした年老いたカールおじさんは、たった一人になり、これからどう生きていこうか気を落としたままエリーとの思い出がたくさん詰まった家で暮らしていました。この家は、二人が子どもの頃初めて出会った思い出の場所でした。

幼少期のカールおじさんとエリーは、廃墟だったこの家で遊んでいて、そして、大人になって結婚をしました。結婚後、あの廃墟だった家を二人で一緒に修理して住み始めた、そんな大切な家でした。修理した家も年月が経って、所々ガタが来ていました。カールおじさんも足を悪くして杖をついての生活を送っていました。家もカールおじさんも一緒に歳を重ねていったのですね。町並みも昔とすっかり変わり、カールおじさんの家がある辺りは大きな開発工事が始まっていました。カールおじさんの土地も開発区域で、家を手放して新しい場所に移るよう言われているところでした。

長年育んだ夫婦の愛が、冒険について教えてくれた

そんなある日、玄関先に一人の男の子が立っていました。玄関を開けたカールおじさんに、ラッセルという名前のその男の子は「何かお手伝いはありませんか」と尋ねてきました。頼むことは何もないからと断るカールおじさんですが、ラッセルはまったくひるまず、同じ質問をし続けます。

ラッセルは、自然探検隊の隊員で上級探検隊員になるため、あと一つ足りない「お年寄りのお手伝いバッジ」を獲得するため、どうしてもカールおじさんのお手伝いをしたいのです。ちょっと面倒くさそうにカールおじさんはラッセルをあしらいます。

そんな矢先、開発工事の関係者といざこざを起こし、ついにカールおじさんは家を手放さないといけなくなります。家で一人、亡くなったエリーとの思い出を振り返っていたカールおじさんは、あることを思い出しました。それは、若かりし頃の二人が誓った夢でした。それは、南米の秘境にある伝説の滝、「パラダイス・ウォール」へ冒険に行くことでした。

これまでに二人で一緒にお金を貯めては突然の出費にその貯金を叩かないといけないという繰り返しで、とうとう夢を実現する前にエリーは病気になり亡くなってしまったのでした。

ついに決心したカールおじさんは、エリーとの思い出が詰まった大切な家と一緒にいざ冒険の旅に出かけるのです。無数のカラフルな風船をたくさんつけて、大空へ舞い上がっていきます。

たくさんの風船を付けた思い出の家と一緒にカールおじさんは夢へ向かう

この先始まる冒険に、なんとあのラッセルが付いてきしまいます。ラッセルはカールおじさんの家が飛び立つときたまたまそこに居合わせて、そのまま一緒に飛び立ってしまいます。こうして一緒に冒険することを余儀なくされたカールおじさんとラッセル、一体どんな冒険になるのでしょうか。

冒険の中で、カールおじさんたちは、カラフルな羽をもつ大きな鳥と出会い、ラッセルは、この鳥にケヴィンと名前を付けて旅を続けていきます。また、首に翻訳機を付けた犬、タグにも出会います。

この犬のご主人様は、なんとカールおじさんとエリーが子供のころにあこがれていた冒険家、チャールズ・マンツだったのです。憧れのマンツに会えることになったカールおじさんとラッセルですが、この先に隠されたストーリーとは。

年老いた人間のおじいさんが主人公というのは、ピクサー作品でもとても珍しいと思いますが、カールおじさんの人生を通してたくさんのことに気づかされるようなそんな作品です。頑固な老人カールおじさんの立ち振る舞いのユーモラスさや、各場面で投入される音楽が作品にメリハリをつけています。

子供よりはむしろ大人向けの深い内容で、大人たちこそがこの作品が持つメッセージと面白さを感じられるのではないでしょうか。きっと感動すること間違えなしの素敵な作品です。DVDも販売されていますので、まだ観てない方は、ぜひ鑑賞ください。