いつも新しい着眼点で面白い作品を発表してくれるピクサーが題材に選んだのは、頭の中にある5つの感情でした。この5つの感情たちが擬人化されて描かれた作品が、2015年7月に日本で公開された『インサイド・ヘッド』です。この作品は、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞しています。

カナシミってなんであるのだろう。

ライリーは、アメリカで両親と暮らす11歳の明るくて元気な女の子です。ミネソタで生まれ育ったのですが、お父さんの仕事の都合でサンフランシスコに引っ越したばかりです。そんなライリーの頭の中には、感情をつかさどる5つの存在います。主人公のヨロコビ、このストーリーの重要人物となるカナシミ、それからイカリ、ムカムカとビビリです。リーダーのヨロコビを中心に、ライリーを守り幸せにするため、5人はいつも頭の中の司令部で働いています。ヨロコビは楽しませる役割、イカリは腹が立ったとき怒り爆発させる役割、ムカムカは嫌いなものを拒絶する役割、ビビリは危険から守る役割を持っています。ただ、いつもライリーを悲しくさせて泣かしているカナシミは自分の役割がわかりません。

 

そんなある日、司令部でアクシデントが発生します。そのアクシデントによって、司令部からヨロコビとカナシミがいなくなってしまいます。リーダーのヨロコビがいなくなり、残されたイカリ、ムカムカ、ビビリはなんとか3人でライリーの感情をコントロールしよう大奮闘します。一方、ヨロコビとカナシミは、「長期記憶の保管場所」へ飛ばされてしまいます。しかし、ライリーを救うため、そこからなんとか司令部に戻ろうと大奮闘します。

ヨロコビとカナシミが迷子になって心が壊れそうなとき、何ができるのかな?

さて、自分の知らないうちにヨロコビとカナシミを失ったライリーは、だんだん気持ちが荒れていきます。大好きな家族ともうまくいかなくなり、これまでの元気で明るいライリーの姿が失われていきます。ライリーの頭の中では何がおこっているのでしょうか。そして、ライリーはこれから一体どうなっていくのでしょうか。

ところで、唯一役割がわからないカナシミですが、このカナシミには隠された秘密があります。

その秘密とはいったい何でしょうか。カナシミだって、大好きなライリーを幸せにしたいと思っています。そんなカナシミが、自分の役割を見つることはできるのでしょうか。

 

この作品では、ライリーという一人の女の子の心模様を表現するにあたり、ライリーという一個人のキャラクターで表現されていません。彼女の心のもっともっと深いところまで掘り下げて、そこに存在する感情1つ1つをキャラクターにして、そのキャラクターを通して表現されています。この発想によって、作品を観ているうちに何か新しい発見ができるような、そんな作品です。

なぜかわからないけど感情が大混乱、どうしていいのかわからない

ライリーに存在する5つの感情は、ライリーのお父さんやお母さんにもあって、お父さんの頭にいる感情5人のキャラクターやお母さんの感情5人のキャラクターは、おんなじ感情でも全く別のものなのです。それは、ライリーに存在する感情5人はライリーと共に成長し、お父さんの感情5人はお父さんと、お母さんの感情5人はお母さんと共に成長してきたからです。それぞれの感情たちの個性がどう違うのか、作品でチェックしてみてください。

そして、この5つの感情は、私たち誰もが持っている感情であります。私たちは自分ではどうしようもできない感情、イカリ、カナシミに襲われるときもあります。なぜかわからないけど、ビビッてしまったりもします。「自分」と「感情」のそれぞれの存在が、とても面白く考えさせられるように描かれているところもこの作品の魅力です。この作品は、自分自身を客観的に見つめて掘り下げるような作用も感じます。ピクサー作品の中でも、かなり奥深い作品です。ぜひ鑑賞ください。

日本語吹き替えでは、ヨロコビの声を女優の竹内結子が、カナシミの声を女優の大竹しのぶが演じています。

また、『インサイド・ヘッド』の関連グッズでは、DVDはもちろん、ぬいぐるみにマグカップ、お弁当箱やクリアファイルなどが発売されています。